【How to 音色コピー】憧れの音色をコピーするには? 音色コピー(音作り)のプロセスをご紹介!

How to 音色コピー
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【How to 音色コピー】憧れの音色をコピーするには? 音色コピー(音作り)のプロセスをご紹介!

こんばんは、ひいろです。

前回は、音作りの効率とクオリティを上げるために、スペクトル分析についてご紹介しました。
【How to 音色コピー】スペクトル分析の手法をご紹介! 音作りの効率とクオリティがグッと上がります!

今回は、前回のスペクトル分析を活かし、憧れの音色をコピーするための音作りプロセスを紹介します(ライブ観点です)。

(画像等は準備でき次第、順次追加していきます)

    【目次】

  1. 本記事の背景、目的
  2. 音色コピー、音作りの前提
  3. 音色コピーのプロセス
  4. 今回のまとめ、次回について

本記事の背景、目的

準備中

【Takトーン実現に向けて】

・以前から度々記載していますが、使用機材を知るのが目的ではなく「ライブで如何にTakトーンを実現するか」というアプローチを本ブログでは目指しています。そこで、音色コピーにあたり「どうすれば、(Tak氏と同じ機材を揃えるのではなく)ライブハウスによくある機材や、市販機材でTakトーンを実現していけるか」を追究していきます。

【同じ機材を揃えるのは難しいけど、音色コピーしたい】

・Tak氏の使用機材記事を掲載してきましたが、どんな機材を使っていたかを知ることが出来ても、同じにする事は中々難しいかと思います。当時の機材は中古市場にも中々良い状態のが出てこないですし、お金の問題や仮に揃えられても設定や弾き方等を詰める必要があります。それが中々出来ないから皆色々試行錯誤しているわけで、出来ていたら皆さんも苦労しないと思います…。

・それならば、出音そのものにフォーカスした方が手っ取り早いとの観点から、「音色 = 波形」に着目することで"同じ機材を揃えず"に音色コピーに取り組んできました。もちろん弾き方にも依りますが、やはりJC-120単独でBogner歪は無理かと思います。

音色コピー、音作りの前提

・ライブに関する3つの観点から、前提を整理します。

【1. オーディエンス目線:殆どのお目当てはボーカル】

・先ずは、ライブに来てくれる人 = オーディエンスが何を聞きに来ているかを意識することが必要です。殆どの人は、ボーカルと答えると思います。経験上、ギターソロ中は水分補給したり休憩している人が多いと感じます(笑)。逆に、ギターの抜けはあまり重要ではありません。B’zにおいても稲葉さんが歌っている間はしっかり歌を聞かせるギターになってるはずです。したがって、どんなに良い音色を作れたとしても、ボーカルが聞こえるように声質に合わせて微調整が必要かもしれません。特にドンシャリや低音が出ている音色は、ギター単独では良い音に聞こえても、バンドに合わせると埋もれたり浮いたりする傾向にあるので注意が必要です。

【2. バンド目線:役割とアンサンブルを意識】

・バンドにより様々かと思いますが、基本的な役割は下記と考えています。
 ドラム:居ないと始まらない、バンドの土台
 ベース:居ないと始まらない、バンドの柱
 キーボード:雰囲気作り、オールマイティーで居ると幅や厚みが広がる
 リズムギター:雰囲気作り、リズム隊と共にボーカルを支える
 リードギター:雰囲気作り、ボーカルの右腕
 ボーカル:バンドの主役、花形

Riyu Haru Music Study 『理結とハルさんのバンド入門講座:22日目:ドラム・ベースの役割』

ギタリストやキーボーディストが音色にこだわるのは「雰囲気作りに音色が大きな影響を与えるから」かもしれませんね。個人的には、「ギターの華はバッキング。ボーカルが気持ちよく歌えて、オーディエンスに気持ちよく聞いてもらえるようにする」のが役割だと考えています。「歪」はとりわけ、その音圧により楽曲に迫力を出すものと考えられます。
ITmedia Inc. 『音と歪みの、いい関係:なぜ「歪み」はかっこいいのか』

・このように異なる役割のメンバーが協力することによって、楽曲やアンサンブルが作られます。そのため、ギター単特で考えるでのはなく棲み分けや、どのパート / フレーズ届けたいかを考えること、ひいてはバンド、メンバーへのリスペクトがあってこその音作りという認識が重要です。

【3. ライブハウス目線:ギター以外の観点も知ること】

・ライブハウスやPAさんの目線も欠かせません。ギターを弾いていると、ついキャビネットから聞ける音で判断しがちですが、ライブでオーディエンスに届けられる音は必ずPAさんの協力が不可欠です。従って、PAさんの処理までを視野に入れたバンドの総合的な音を意識できるとベターです。DTMや曲作り、レコーディング、ミキシング等の幅広い知識を取り入れると視野が広がります。

・具体例としては、楽器が持つ帯域、エフェクターやアンプに加えてマイク~の総合的な音作り、PAさん処理(コンプ、EQ、他)~客席向けスピーカー等です。ライブハウススタッフさんやPAさんも、一緒に音を届けてくれるメンバーという姿勢が好ましいと思います。
goodsound 『リハーサルでの単音チェックはどうしたらいいの?PAはこんなことをしています。』
楽器が持つ帯域特徴について…音楽Hi-TeQ 〜Hybrid Sound Journal〜 『イコライザーを効果的に調整するための必須知識とプロテクニック:楽器ごとの帯域特徴を知るメリット』

・僕もまだまだ精進が必要ですが、上記を前提として音色コピー(音作り)のプロセスを下記で紹介します。

音色コピーのプロセス

・前置きが長くなりましたが、今回の本題に移ります。前回同様に「Bogner音色のコピー」を例とします。肝となるスペクトル分析は前回記事をご参照ください。

【1. 目標設定】

1. コピーしたい音色探し:前回と同じです

2. 使用していた機材調査:機材情報が判る場合、調べておくと音色の傾向やどんなエフェクトを使用しているか想像しやすいです(コーラスはあるが、ディレイは無い、等)。シミュレーター使用する場合も、元モデルのシミュレータを使う方が手っ取り早いです。

B’z 松本孝弘(Tak)氏の機材情報はこちら…B’z / Tak機材記事、お役立ちサイト一覧

3. 目標のスペクトル分析:前回と同じです
Bogner 詳細グラフ
Bogner 詳細表

【2. 達成条件設定、現状分析】

1. 達成条件設定:「何を実現したいか」を設定します。この時点で、作品やバンドの完成系をイメージ出来ればベターです。

2. 環境、条件設定:「使う機材や何処で実現したいか」等を設定します。直アンプに拘ってないですが、出口に近いほど音色への影響が大きくなるため、基本的にはエフェクターよりも音色を安定させやすいアンプでの音作りがベターです。ライン接続でない場合は、キャビネット及びマイクも決めておければ尚良いです。達成条件や制約条件の例は下記記事に記載しています。
前準備:目標や条件の設定
目標と設定例

・今回の音作りではグラフィックイコライザー(以下GEQ)やパラメトリックイコライザー(以下PEQ)を使うので、調節可能な帯域数が制約になります。
イコライザーの使い方、人の聞こえ方、各帯域の特徴
DTM・宅録で始める音楽ライフ。 『超簡単!パラメトリックイコライザーの使い方②パラメーターの解説、使い方のコツ』

3. 自分の波形分析:前回と同じです
自分の音色 概要グラフ

【3. 差異確認、計画】

・目標と自分の音色の差を詰める計画を立てます。

1. 全体傾向の差異確認(プロセス1-3 vs 2-3):何箇所変えるかを検討します。下記のように、特徴付けているピークと谷や差の大きな箇所から優先的に取組むとベターです。傾向が似る程度でも、音色はそれらしくなります。

目標と自分のスペクトル分析比較グラフ(概要)
音色の概要比較

・例で大きく異なっている点は「中域:653Hzの不足及び1.55kHzの過剰、高域:2.5kHz及び3.3kHzの過剰」と見られます。低域はそこそこ似ているので、一旦そのままにしておきます。

2. 詳細の差異比較:全体傾向と同様に差異の詳細を確認し、取り組むポイント数と優先順位を計画します。
目標と自分のスペクトル分析比較グラフ(詳細)
音色の詳細比較

・大きく異なる中域(653Hz、1.55kHz)と高域(2.5kHz、3.3kHz)の4点に加えて、低域ピークの1点、中~高域のピーク及び谷の4点、合計して12点から取り組むと計画しました。

3. 機材追加:余力があれば、足りないポイントを補うために別途イコライザー(以下EQ)を追加しても良いかもしれません。追加する場合は、好きなように調整可能なPEQをオススメします。

・コンパクトエフェクター型PEQの例:Empress Effects ( エンプレスエフェクト ) / ParaEQ

サウンドハウスで見る

サウンドハウスで見る

・マルチエフェクター型PEQの例:BOSS ( ボス ) / GT-1000 マルチエフェクター

サウンドハウスで見る

サウンドハウスで見る

・マルチエフェクター型PEQの例:Line 6 ( ライン6 ) / HX Stomp マルチエフェクター

サウンドハウスで見る

サウンドハウスで見る

【4. 実行】

・一回では中々作り切れず何度か繰り返すことにはなると思いますので、あまり最初から根を詰め過ぎないほうが良いと思われます。

1. 全体:音色を形作っている全体傾向から取り掛かります。EQはカットでの調整が基本ですが、近付けるために大幅ブーストする場合もあります。「低域、中域、高域」の各ピークから合わせ、その後に各谷に取り組むと良いと思います。EQ調整のコツはピークとのレベル差 = 帯域バランスです。例えば、下記図の通りBognerの音色では128Hzが-18dbで653Hzが-24dBのため、差は6dBです。そこで、自分の音色の128Hzと653Hzの差が、目標と同じく6dB低くなるようにEQを調整していきます。
Bogner ピーク差

2. 詳細:全体傾向を似せられた後に、詳細を詰めていきます。例の場合は、ピークの128Hzと各帯域の差は下記表の通りになります。
Bogner 全ピーク差

【5. 録音確認、修正、仕上げ】

・実行後の確認、修正、仕上げ方についてポイントを記載します。

1. 録音確認:近付ける時は目標と同一フレーズを同一ポジションで弾いて録音したほうが、弦の太さによる差等の変動要因を減らせてベターです。また聞く場合としては、ギターアンプからの距離や位置で聞こえ方が変わるのでボーカル位置でどう聞こえるかを確認するのがベターかと思います。

2. 修正:スペクトル分析に加えて聞いて確認する場合は、目標と異なり「くわぁ」という聞こえ方をするのであれば1kHz付近が、「ジリジリ」であれば4kkHz辺りが特徴的だと思われます。

3. 仕上げ:色んなフレーズで変に出過ぎる箇所ないか等を調べて、バランスを調節します。目標と同じフレーズを弾く場合は似てる一方、違うフレーズを弾くと低音が出過ぎるケース等があります。

【6. 補足:現場での修正用に】

・音色作成後も、キャビネットやマイクが違ったケース等に柔軟に対応できるよう、調整可能な余力があるとベターです。

1. EQ予備:EQを音作りの段階で使い切るのではなく、後から修正可能なように帯域数を多少残しておけるとベターです。

2. グローバル設定:マルチエフェクターには、プリセット / パッチ毎ではなく全ての出音に影響する「グローバルEQ」という機能があります。明らかに高域が不足している状況等、グローバルEQで高域を足すことで調整時間を短縮可能です。

今回のまとめ、次回について

【今回のまとめ】

・長くなりましたが、以上でスペクトル分析を含めた音色コピー(音作り)のプロセスをご紹介いたしました。慣れるまで時間は慣掛かるしれませんが、かなりクオリティの高いコピーが可能なはずです。

・「スペクトル分析及び目標と現状音色の差異修正」を自動化したものが、Fractal Audio Systems "トーンマッチング"やMOOER "トーンキャプチャー"です。しかし、 まだ技術的には発展途上に感じられる点、ベンダーロックイン(特定ベンダーの独自技術に大きく依存し、他社製品に乗り換えが難しくなること)が嫌いな点、修正を容易にする点から、手動で音色コピー(音作り)しています。

・Fractal Audio Systems "FM-3"よりも小さく軽い機器が登場した場合、音色コピーのノウハウがあれば乗り換えも検討可能になります(DSP等を確認しないと期待外れになる場合もありますが)。
KENJi KANDA Official Web 『【メモ】Fractal Audio Systemsに搭載されているDSPについて』

【次回について】

・他年代の音色分析、Axe-Fxと他社高機能機材との特徴比較、B’z / Takの機材情報、等を考えています。


ご覧頂きありがとうございました。

ではまた。

ひいろ

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