【便利 / お役立ち】B’zのお二人もご使用のイヤーモニタリングシステムとは? ライブや練習に役立ちます!

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【便利 / お役立ち】B’zのお二人もご使用のワイヤレスインイヤーモニタリングシステムとは? ライブやスタジオ練習に役立ちます!

こんばんは、ひいろです。

前回は、Tak(B’z 松本孝弘)氏のメイン歪 / バッキング歪の音色を、同じ機材を揃えずにコピーする手法をご紹介しました。
【How to 音色コピー】Tak氏の音色、音作りをコピーするポイントは?(メイン歪 / バッキング編)

今回は少し趣向を変えて、B’zのお二人も長らくご使用の、ライブやスタジオ練習に役立つワイヤレスインイヤーモニタリングシステムについて紹介します。

(画像等は準備でき次第、順次追加していきます)

    【目次】

  1. ワイヤレスインイヤーモニタリングシステムとは、何故使うのか
  2. イヤモニシステムのメリット、デメリット
  3. 使用方法、使い心地、注意点
  4. 今回のまとめ、次回について

ワイヤレスイヤーモニタリングシステムとは、何故使うのか

準備中

【ワイヤレスインイヤーモニタリングシステムとは】

・ワイヤレスインイヤーモニタリング(以下イヤモニ)システムとは、ライブでバンドや自分の音をモニターするためのシステムです。ライブされている方ならご存知かと思いますが、通常は床に置いてあるモニタースピーカー(通称コロガシ、下記画像)から自分達の音を聞きながら演奏します

モニタースピーカー、コロガシ
赤点線枠内がモニタースピーカーです。
YAMAHA 『【導入事例】OSAKA MUSE 様 / ライブハウス / 大阪』

・このような自分の音を聞く手法を無線 = ワイヤレス化して自分のイヤホンで聞けるシステムのことを指します。プロには多く採用されています。

デジマート・マガジン 『SHURE PSM300 セットアップも操作も簡単! 免許不要のイヤモニ・システム』
Wikipedia 『イヤーモニター』

・B’zのお二人の場合は映像作品を確認すると、稲葉さんは1999年『LIVE-GYM '99 "Brotherhood"』では一時的に使用、2002年『GREEN』から本格的に運用に見えます。Tak氏は2008年『LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS-』で右耳にイヤモニらしきもの、2011年『LIVE-GYM 2011 -C'mon-』にてイヤモニが確認できます。パフォーマンス等で移動することの多いお二人ですが、イヤモニによって場所を気にせずに移動して同じ音を聞こえることに加え、ステージにモニタースピーカーを置かなくて良くなったために、演出や移動の自由度が高くなったように見えます(特にサブステージにおいて)。

稲葉さん 1999年『LIVE-GYM '99 "Brotherhood"』
B’z 稲葉さん イヤモニ1

稲葉さん 2002年『LIVE-GYM 2002 "GREEN 〜GO★FIGHT★WIN〜"』
B’z 稲葉さん イヤモニ2

Tak氏 2008年『LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS-』
B’z Tak氏 イヤモニ1

Tak氏 2011年『LIVE-GYM 2011 -C'mon-』
B’z Tak氏 イヤモニ2
備考:全ての映像作品等を持っているわけではないので、見落としあったらごめんなさい。

・ちなみに、ライブ終了時にはお二人共外されることがあります。
B’z 稲葉さん Tak氏 イヤモニ 外す

・イヤホンは2015年『LIVE-GYM 2015 -epic night-』からは、Westone社"ES60"をお二人ともに使用され、2018年には稲葉さん、2019年にはTak氏も同社"EAS30"を導入されたとのことです。
BARKS 『B'z、ツアーを支えるイヤモニはWestone ES60』
TEKWIND 『Westoneのカスタムイヤモニ「ES60」「EAS30」をB’zがライブツアーに採用』

・本ブログはライブをするギタリストに役立つ内容を前提としていることから、動き回れる無線型システムについて主に紹介していきますが、ワイヤレスイヤモニは特に、動き回っても自分の声を安定して聞きたいボーカルさんに非常にも有用かと思います。

【何故使うのか】

ライブで良いパフォーマンスを見せたい、聞かせたいのはやはり皆さん共通かと思います。個人的には付け加えて、「来て良かったな。また来ても良いな」とお客さんに思ってもらえるものを提供したいと考えています。とはいえ、それを実現するのが難しい理由の1つに「自分の音が聞こえずに、うまく演奏できない」というものがあります。僕も自分の音が聞こえずに、リズムやピッチに影響して上手く演奏できないことが何度かありました。

・コピバン等の場合もモニタースピーカーから聞くのが一般的ですが、バランス良く聞こえる環境を作るのは中々難しいのではないでしょうか。バランス良く聞こえるにはメンバー全員が協力して中音を作れた上でPAさんともコミュニケーション取れることが必要ですが、短い時間では簡単にはいかず、仮に作れたとしても移動すると聞こえ方が変わるので、人によっては不安な方もいるでしょう。

・ちなみに、バランス良い中音のためには、ギターは音量を出しすぎない事が大事だと言われています。キャビネットからの音は設置されているマイクから収音して客席側に出すので、実はアンプの音量はそこまで必要ないのですが、ギター2人にキーボード等のように編成が多い場合は、つい自分の音を大きめにしがちです。経験上、特にリズムギターは常に聞こえない傾向にありますが、特に歌モノバンド =ボーカル優先のバンドで、ギターの自分が聞き取りやすい音量にすると、中音バランスを崩しがちです。また、(ギターアンプ)キャビネットに近い位置で聞くことが多いですが、高域があまり出ていないように聞こえるため、近い自分の位置で聞こえるような音質・音量にすると、ボーカルの位置やお客さんには耳に痛い音(音量)が直撃します。
arcray music 『中音と外音とは?中音の調整のコツは?』

・加えて音は指向性が強いため、移動したり顔の向きを変えるだけでで、聞こえ方もかなり変化します。
デジマート・マガジン 『ギターとアンプの距離~立ち位置によってギターの音はどれだけ変わるのか?』

・これらのように、良い演奏をするためには音を聞くという行為1つとっても、解決が中々難しいハードルがあります。これらの問題をクリアするために使われるのが、イヤモニシステムになります。

・ちなみに、B’zやサポートメンバーの方々は、イヤモニ使用等により中音がかなりクリアになってます。
B'z Mienai Chikara/Invisible One - Bass Cam Barry Sparks

※バリーさんのyoutubeは外部では再生不可設定になっているので、ご覧になる際はお手数ですがyoutubeに移動してください。

Shane Gaalaas - Uchouten - Drum-Cam HiHat Angle

イヤモニシステムのメリット、デメリット

・ここでは、使用上のメリット及びデメリットを整理します。

【メリット】

メリットは総じて音量バランスの向上、パフォーマンス自由度の向上、安心感です。聞き / 見に来てくれるお客さんのために練習の成果をきっちり出し切りたい人にオススメです。

1. ステージ音を適切にすることで、より中音及び外音をクリアに、ハウリング防止
・一番のメリットはやはり、キャビネットからの音量を適切にして中音バランスと取りながら、自分の音は聞きたい音量で聞ける点です。特にリードギター & リズムギター & キーボードがいるような、音が多くなりがちなバンド編成で有効です。中音バランスが良くなることで、外音のクリアさ向上やハウリングの防止にも繋がります。

2. 自分の音がよく聞こえる安心感
・ヘッドホン練習と同様、ライブ時に移動してもイヤホンで直接自分の音を聞いて演奏可能になるので、音程やリズム、はたまた細かいノイズまでをモニタリング可能になり、安心感があります。

・また、イヤーモニター用のイヤホンを使えばかなりの遮音性を確保可能なため、耳栓のように耳を保護可能で、特にドラム音からの保護効果は大きいです。イヤモニは大音量不要で出演中に音量変更も可能なため、適切な音量で演奏可能になります。

3. バンド用の音と、自分が聞く音を使い分け
・多少仕組みが必要ですが、キャビネット用の音とモニター用の音を分けることが可能です。これにより、バンドに最適な音質と、聞きたい音質を両方最適化できるので、ストレスなく演奏に集中可能です。詳細は下記の【使用方法】にて説明します。

【デメリット】

デメリットは総じてシステム化の手間、実現範囲の制約かと考えます。

1. システム組む必要、割と場所を取る
・通常のアウトプットとは別出力が必要で、受信機が割と場所をとります。機器によってはラックサイズ以上のものになりますので、エフェクターボードに気軽に組み込めるサイズではないです。最近は小型化された製品も出てきましたので、要件が合えばボードに組み込むことも可能かもしれません。

2. 全員の音聞くには、大掛かりなセットやPAさんとの連携が必要
基本的にイヤモニから流れてくるのは自分の音だけです。他メンバーの音が欲しい場合は、PAさんから送ってもらう必要があり、全てのライブハウスで出来るとは限りません。個人的には自分の音がきっちり聞こえるだけで十分ですが、CDに合わせて演奏するようなイメージで使いたい人は、更にもうひと手間加える必要があります。スタッフさんいないと難しい…。

3. 価格が高め
ギターの音色を変えるわけでもないのに、2万円以上の製品が多いため、高い印象を持たれがちです。イヤホン側も遮音性や音質を重視すると1万円程度掛かる場合もあります。価格自体は高いように見えますが、ライブでの自由度や安心感にどれだけ価値を感じるかとの兼ね合いでしょう。

使用方法、使い心地、注意点

・使用例として、僕の使用方法や注意点等をご紹介します。

【使用方法】

・まずはハードウェア接続図、ソフトウェア上の信号の流れを図で示します。
・ハードウェア接続図
Axe-fx 使い方 ハードウェア
・ソフトウェア上の信号の流れ
Axe-fx 使い方 ソフトウェア
赤実線:プリアンプ部のみ使用、パワーアンプへ(通常の信号の流れ)
赤破線:Axe-Fxで処理した音(キャビネットシミュレーター通し)をライン出力
黃実線:Axe-Fxで処理した音(キャビネットシミュレーター通し)をイヤモニへ(Phone出力)
緑実線:スプリッターでギターの音を分け、そのままイヤモニシステムへ(理由は後述)

・図の通り、出力分割によりキャビネット用の音とイヤモニ用の音を分けています。キャビネット出力用の音を基本としているため、ラインではパワーアンプシミュレーターの違いや、イヤモニやシステムの影響で音色が多少変わります。この点を補正するために、キャビネットシミュレーターの後段にグラフィックイコライザーを1つ準備しています。逆にキャビネット用音色のみを調整したい場合に備えて、別でイコライザーを準備しています(画像上はオフ)。

ギター自体もワイヤレスを使用しているため、イヤモニとは帯域を棲み分けています。ギターワイヤレスは2.4Ghz、イヤモニは800MHz使用です。どちらも免許不要のB帯ですが、本番ではライブハウス側の無線機器類との干渉には気を付けた方が良いでしょう。

・実際には他メンバーの音も聞くために、片耳から自分の音を聞いています。

・ライブ中にギターを交換する時もあるので、ギターワイヤレスはギターストラップに付け、イヤモニ受信機は腰のベルトに付けています。また、イヤモニ受信機~イヤモニの線は服の中を通すことで絡まりづらくしています。

・ちなみにちょっと特殊な使い方ですが、緑実線の目的は、足元のボリュームペダル(MIDI)をオフにすることでAxeからの出力 = アンプから音を出さずに、MC中等にイヤモニだけに音を出してチューニング可能にすることです。ギター生音ですが、音が聞こえるのと聞こえないのではチューニングの速さや精度、安心感に大きな違いが出ます。また、音が出ない時のトラブルシューティングの観点も兼ねています。歪等の演奏時には聞こえないボリュームバランスになってますので、違和感無く演奏可能です。

・ちなみに、僕のシステムではギターワイヤレス(遅延:<2.9ms) + イヤモニシステム(遅延:未公表)ですが、遅延は気になりません。

【使い心地】

・B’zのお二人が使っているということもあり、「自分もやってみたい!」と思って導入してみました。ライブで移動した際、特にピッチやビブラートが聞こえやすく、不安感の解消 = 演奏の安定性に貢献してくれています。ギターワイヤレスと併用で2年間問題無しで、ライブやスタジオ練習時にとても役立っています。僕の所属しているバンドでは、リードギターとリズムギターが曲毎の入れ替わりや、PAさんとのコミュニケ-ション不足で自分の音が全く聞こえないこともありましたが、そのようなケースでもイヤモニからは練習通りに聞こえるため、問題なく演奏できました。

youtubeで公開しているライブ動画ではPAさんのご協力もあり、キャビネットからの出力をスタジオ練習よりも約20%小さい音量で演奏できました。

・ただし、使用には慣れが必要です。最初は違和感あるかもしれません。また、上記ライブでは、イヤホンの調子が悪くで聞こえづらいことがありました(後で確認したところ、イヤモニが断線気味でした)が、イヤモニから何も聞こえないと逆に焦るので、イヤモニシステムを捨てる勇気が必要でした。

【使用機器】

・参考までに使用機器と、他候補を紹介します。

・僕の使用機器はJTS社のSIEM-2です。採用理由は、価格が2万円台とイヤモニシステムにしては安価だった点、帯域がギターワイヤレスと混信しない点、スペース的にラック入る点からです。
・JTS ( ジェーティーエス ) / SIEM-2 インイヤーモニターシステム
サウンドハウスで見る
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・個人レベルでの使用には下記のような候補があります。
・Xvive ( エックスバイブ ) / XV-U4 インイヤーモニター
サウンドハウスで見る
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・SHURE ( シュアー ) / P3TJR112GR-JB
サウンドハウスで見る
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※カスタムイヤモニ自体は別記事で紹介しています。

【注意点】

・イヤモニ使用にあたっての注意点は、下記3点です。

1. 使用帯域、混信
免許帯の有無や、他メンバーとの混信を避けるよう使用帯域を選ぶとベターです。特に2.4GHzはWi-Fi、ギターワイヤレス、マウス等の他に、ライブハウス進行役が無線マイク(免許帯のこともありますが)のこともあるので、留意が必要です。

2. 信頼性
・正直、無線に関してはあまり無名なメーカーや安価過ぎるものを選ばないほうが良いです。僕もAmazonで1万円程度でスペック的には良さそうものを購入しましたが、音質の歪み、ノイズ、電波干渉による音切れ等で実用には耐えなかったことがあります。やはり価格にはそれなりの理由があると感じました。

3. レイテンシー(遅延)
・わざわざこの手の無線機器でなく、安価なBluetoothで良いのではと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、現在はレイテンシー(遅延)の面から難しいです。人間が感じることのできるレイテンシーには個人差がありますが、およそ20ms(ミリセカンド、ミリ秒)以上で感じることが多いそうです。演奏時においては更にシビアになり、5ms以内が要求されるケースもあります。

・Bluetoothは現在の最新規格"aptX Low latency"においてもレイテンシーが30~40msと大きいため、今後の技術の進歩が期待されます。また、赤外線システムも遮蔽物に弱いために避けた方が無難です。
亀川 徹 『4-3 演奏時における音声遅延の検知限とその影響』
Yugoの不思議な音楽の国 『レイテンシーの遅れって何ms以内を目指すべき!?演奏に支障が出ない時間はどのくらい?』
DENON Official Blog 『Bluetooth、その音質と遅延について』
LINE6 『Relay G30 仕様』

今回のまとめ、次回について

【総じて】

・基本的な所感は【使い心地】にて記載しました。「全ての演奏者にオススメ!」というわけではないですが、移動しても自分の音をしっかり聞きたい人、ミスをなくしたい人等、広い方々にオススメできます。ラックやボードに余裕があれば、検討してみるのも良いかと思います。

【次回について】

・インイヤモニター(イヤホン)、他年代の音色分析、Axe-Fxと他社高機能機材との特徴比較、B’z / Takの機材情報、等を考えています。


ご覧頂きありがとうございました。

ではまた。

ひいろ

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