【My機材紹介】Fractal Audio Systems "Axe-Fx" B’z用プリセット セッティング紹介 (5. リード、6. ワウリード)
こんばんは、ひいろです。
以前にギター比較、CDやライブ楽曲にて、どの程度音色を似せられるかを検証しました。
【音色カバー】B’z “孤独のRunaway -Mixture style-“にトライ!
【音色カバー】B’z “アラクレ (Typhoon No.15)”にトライ!
その検証に使用したシステムの全体も紹介しました。
【My機材紹介】Fractal Audio Systems “Axe-Fx”のセッティング1(システム構成)
今回は前回までに使用した、Fractal Audio Systems "Axe-Fx" B’z用プリセットから、『リード、ワウリード』のセッティングについて紹介します!
・本記事紹介のプリセットは、下記よりダウンロード可能です。(2020/4/19 追記)
Axe-FxⅡ プリセット ダウンロード
長くなるので、複数回に分けて紹介させていただきます。
(画像等は準備でき次第、順次追加していきます)
本記事の背景、目的
【Takトーン実現に向けて】
・以前似たような事を記載しましたが、使用機材を知るのが目的ではなく、「ライブで如何にTakトーンを実現するか」というアプローチを本ブログでは目指しています。そこで、これからの音色コピーにあたり「どうすれば、(Tak氏と同じ機材を揃えるのではなく)ライブハウスによくある機材や、市販機材でTakトーンを実現していけるか」という点を確認します。
【本システムのコンセプト】
以前の記事でも紹介しましたが、本システムのコンセプトはどこでも安定的に自分の音色を出す、ライブでTakトーンを自分のできる限り実現することです。
そのための要件として、大枠では下記と考えました。
・「会場で使う要素」を最小限に抑えられるシステムを構築
・ライブでは、どこのライブハウスにも大抵は置いてあるMarshall "1960A"を使用
・ライブでの万が一に備え、ライン出力も欲しい。また家ではライン出力で練習も
・ライブでのモニターに、イヤーモニターシステムも装備
各セッティング(Axe-Fx内)
「FAS Axe-Fxとは、全体の環境」についてはこちらをご覧ください。
【シーン5:Lead】
・リードはBogner "Ecstasy"を使用しています。"Uberschall"よりも、ややマイルドな印象で、フロントPUに合います。リバーブはシーン2と共通ですが、ディレイは異なり少し短めの設定です。また、リード系には後段でパラメトリックイコライザー(PEQ)を使っています。
【シーン6:Wah Lead】
・シーン5にフィックスド(半止め)ワウを追加しています。
使用アンプモデルのベース:Bogner "Ecstasy"(Red ch)
Bogner AMPLIFICATION 『ECSTASY』
枠線黄色が選択中のブロックです
【共通ブロック】
Input / Gateブロック:元モデル無し
・いわゆるノイズゲートの役割です。あまり詳しくは無いブロックですが、歪系と使い分けが出来ないので、歪系に合わせた設定となっていまして、この点はやや不満です。
Comp1ブロック:元モデル無し
・コンパクト型でも良いのですが、スタジオコンプを置いています。ピッキングのダイナミクスを損なわない程度に、ギターの出力の違いを吸収する程度に掛けているつもりです。
Volume / Panブロック:元モデル無し
・一般的なボリュームペダルと変わりません。設定によっては、ボリュームペダルを閉じた際の音量を(0にせず)10程度や、逆に100にすることも可能です。MIDIで操作しているため、音質劣化はないです。
Mixerブロック:元モデル無し
・前段で分けた信号をまとめています。各ブロックの出力で調整してもよいのですが、後からバランスを変えたい場合にミキサーで調整可能にしておいたほうが、便利です。
Comp2ブロック:元モデル名無し
・こちらにもスタジオコンプを置いています。各アンプで音量調整はしていますが、各音色の出力上限を制限にする目的 = リミッターとして置いてあります。音色によって出力が変わると、バンド内のバランス、PAさん、外音に悪影響を与えてしまうので、それを防ぐためです。とは言え、そこまで強くは掛からないようにし、あくまでリミッター的に使用しています。
Cabブロック:4x12 1960A G12M(RW) (元モデル:Marshall "1960A")
・普段キャビネットはMarshall "1960A"を使用するので、同じMarshall "1960A"にし、キャビネット出力とライン出力で違和感無いようにしていますが、設定はほぼデフォルトのままです。ただし、マイクのSM57はハイがきつく感じたので、421 Dynamic(元モデル:SENNHEISER MD-421)にしています。基本的な音作りは実際のキャビネット出力で作っているため、予備やイヤモニへのライン出力は、追い込みもそこそこです。もしかしたらマイクはそのうち変えるかもしれません。
メーカーサイト 『SENNHEISER MD 421-II』
FXLoopブロック:モデル名無し
・「(パワーアンプ→)キャビネット」に出すために置いてあるブロックです。このブロックを置くことにより、キャビネット出力とライン出力を別々に出力可能になります。
Outputブロック:モデル名無し
・一般的な設定ですが、output4のみ-20dBしています。FX Loopがoutputに繋がっているため、-20dBしておかないとライン出力にキャビネットシミュレータの通っていないアンプの音が入ってしまいます。
GEQブロック:モデル名無し
・GEQ = Graphic EQualizer (グラフィックイコライザー)です。このブロックは基本的には使用しません。どうしても他のブロックで調整が巧く行かない時や、特定のパッチだけボリュームを上げたい場合、現場でアンプの設定を変えたくないが微調整したい場合等用の保険です。
Wikipedia「イコライザー(音響機器)」
【アンプブロック】
Ampブロック:Euro Red (元モデル:Bogner "Ecstasy" (Red ch))
・調整可能な項目は多いのですが、そこまでこだわった設定はしていません。Power Supply~Dynamics(5~8枚目)は恐らくデフォルトのままです。プリアンプとパワーアンプのページは真空管を変える程度で、基本的にはベーシック、EQの調整で音作りしています。
・ワウリードは、2003年 アルバム / ライブ『BIG MACHINE / Typhoon No.15 The Final Pleasure “IT’S SHOWTIME!!』、リードは2005年 アルバム / ライブ『THE CIRCLE / CIRCLE OF ROCK』を目標としています。先ずはリードの音色を作るべく、2005年ライブで使用されましたBogner "Ecstasy"を選びました。ライブ機材のアンプ写真を見える範囲で確認すると、2005年も各ノブのセッティングは中央よりやや左右に振る程度で、極端なセッティングはされていないようでした。これをヒントに自分のアンプセッティングを始め、そこから自分好みのチューニングをしました。
2003年『BIG MACHINE』、『Typhoon No.15 The Final Pleasure “IT'S SHOWTIME!!』の機材情報はこちら
2005年 アルバム / ライブ『THE CIRCLE / CIRCLE OF ROCK』の機材情報はこちら
・リードの音色は歯切れ良さよりも、滑らかさを意識しています。2005年のTak氏のBogner "Ecstasy"のソロ / リード設定は、トレブルやプレゼンス上げ目傾向で、真似してみましたがAxe-Fx上ではトレブルよりはブライトの方が好みだったため、そちらで高域を稼いでいます。ブライトスイッチはジリジリしたのでオフ、ゲインよりもマスターボリューム上げ目のセッティングです。
・EQも他プリセット同様に苦手な8kHzを大幅カット、低域は上げすぎると干渉するので重くなる範囲をカットしています。リード用のため、ギターとして目立たせる帯域の2~4kHzをややブーストし、フロントPUでも音色が籠もらないようにしています。
・疎いのですが、少し落ち着いた音色にしたいためパワー管はKT88にしています。また、大抵のアンプモデルで、低域のカットスイッチをオンにしてます。
エレキギター博士「ギターアンプの真空管の種類・仕組みについて」
デジマートマガジン「異なるパワー管を搭載したBlackstar Studio 10(EL34、6L6、KT88)3機種のサウンドを弾き比べ!」
【エフェクトブロック】
Reverbブロック:Medium Room
・こちらのリバーブは2. コーラスと共通です。通常使用と同じミディアムリバーブですが、タイムを多少長め、音量大きめにして広がりを持たせています。
・ただし、単純に広げると他楽器をマスクしてしまう恐れと、重たくならないように、帯域設定も変えて300Hz以下の低域を削り、高域は残してスッキリさせています。
・B’zをコピーする上で本来リバーブは不要かもしれませんが、耳馴染みを良くする程度に使用しています。まったく反響のない音も、変な感じがしまして…。
Delayブロック:Analog Mono (元モデル:不明)
・コーラス系と同じモデルですが、別設定です。主にリバーブで広げるので、ディレイはタイムは「音が遅れている」と感じられる範囲(20ms~)で短め、フィードバック(残響回数)は少なめにしてあまり広がり過ぎないように、音量はそこそこに混じりを意識した設定になっています。設定項目が多いですが基本以外は殆ど変更していません。
・低域を残響させると他と被る恐れがあるので、こちらも100Hz以下と、高域の被りを避けるために2.5kHz以上ををカットしています。
Wahブロック:Cry Babe (元モデル:Jim Dunlop "Cry Baby")
・本プリセットではフィックスド(固定)セッティングにしています。
・ワウをペダルにして動かす場合は、足元のボリュームペダルは出力100%でスルーにし、ワウのみ動かせるようにしています。また、踏み込んだときにちょうど良い具合の音色(半ワウライク)になるように設定しています。
・あまり理解していないですが、Taperはマイルドに変化するログ15A、Frequency Maxは4.5kHz設定が好みでした。
Driveブロック:T808 OD (元モデル:Ibanez "TS808 Tube Screamer")
・歪や音色はそこまで足したくない(アンプの音色重視)けど、ちょっとブーストしたい & ほんの少し音色の角を取り払いたい、そんな使い方をしています。そのため、ドライブもアウトプット(レベル)もかなり低め。トーンはちょっと暗くする程度でハイカットを強めにして、アンプの角を取るイメージです。全てのモデルの中で、TS808が滑らかに感じました。
・しかし、ブーストすると少し歪がエグい気がし、アンプの歪量を落としてもイマイチだったため、ブーストは外そうか悩んでいます。
PEQブロック:モデル名無し
・アンプの設定を変えるとバランス崩れる恐れがあるため、アンプ本体のセッティングを極力変えたくない。けど、少し帯域や音量を調整したい…。そんな時に、後ろに置いたPEQブロックで調整することが多いです。
・このプリセットではリードのでの滑らかさを意識して、5k以降を緩やかにカットしています。この削り方はアンプブロックのEQ (GEQ)では不可なので、別ブロックのPEQで調整しました。また、ソロだけ音量上げたい時もこのブロックのアウトプットを変更することで対応可能です。
・曲によってシーン4のDistortion (Uberschall)でリード弾くこともあり、その際はPEQで音量上げる設定にします。
・本記事紹介のプリセットは、下記よりダウンロード可能です。(2020/4/19 追記)
Axe-FxⅡ プリセット ダウンロード
【補足】
・左が音の入り口、右が出口です。
・ブロック内で線が水平、もしくは色が付いているブロックがオンです。
・ブロック内で線が上に回っているのはオフです。
・アンプ後の最上段がドライ音、2~4段目はウェット音になっています。
・上から2段目がライン出力用、右から3つ目のブロックで別れて下に繋がっているのがパワーアンプ&キャビネット向け出力用です。
各音色の動画
【動画】
【動画構成】
2:30~2:48…シーン5:Lead
2:48~3:08…シーン6:Wah Lead
・マイクは全てはE906です。
・元曲をうっすら掛けている場合があります。
・メイン歪以外はあまり拘ってないです。
・音量調整はしましたが、無加工です。
・動画は基本的にマイク撮りですので、同じ設定にしても音量や位置、ライン出力の場合は音色や聞こえ方が異なる場合があります。
今回のまとめ、次回について
【個人的な意見としては】
・今回は『リード、ワウリード』のセッティングについて紹介いたしました。皆さんもリードの音色やセッティングには色々なこだわりがあるのではないでしょうか。僕は目立ちたい方ではないので、そこまでリードにはこだわっていないのが正直なところです。とは言え、お聞きいただくことを考えて、聞いていて心地良い音色にチューニングしているつもりです。どちらかと言うとバッキングの方が好みで、たまにリード弾けたら良いなという感じですので、ソロよりもバッキングをついつい練習してしまいます(笑) この辺りも含めて、やはり音色には性格やこだわりがにじみ出るのではないかと考えてしまいます。
・リードのセッティングは基本的にフロントPUで弾くことが多いですが、リアPUで弾いても耳に痛くないようにはしています。可能であれば、ワウはフロント用とリア用で分けたほうが綺麗な感じはします。現在のリードは歪が少しエグい感じがするので要改善かなと感じています。
・前回記載の通り、バッキングで培ったノウハウを活かしてリードのチューニングをしていますので、もしバッキングのチューニングをご参考にしたい場合は、本記事がお役に立つかと思います。
お耳汚し申し訳無いございません、腕前はこれから精進します…(ブログや動画編集の学習にかまけて練習を怠りました)。
【総じて】
・コンセプトは「Axeを選んだ理由」に記載の通り、「これ1台でシステムを実現!」です。そのため、細かい所まで設定可能というのは、あまり活用し切れていないと感じます。もっと色んなジャンルを演奏する方なら違うのかもしれませんね。ファクトリープリセットも派手なのが多いですが、割とシンプルな「アンプ + エフェクター + キャビネット」のシステムとして認識しているため、そこまで設定の必要はなく、好みの音色が出せれば細かい所は触らなくてもOKという考え方です。
・全てのプリセットに共通する考え方ですが、弾いていて気持ちの良い設定というよりは、どちらかというと「主役のボーカルやリードパートに被らず支える、バンドアンサンブルにおけるバッキングとして混じり」を意識しています。
・ただし、自分達のバンド練習動画やライブ映像を何度も聞き返し「もう少しバンドに混じりやすく、聞きやすくなるのでは」という改善点が結構出てくるので、上記のような基本部分をいじることが多いです。
・ライブにおける音色の印象チェックのため、前回ライブで使用したプリセットを紹介していますが、メイン歪ではGainを更に低く、リードはブースターを外そうか試行錯誤しています。ライブ後に毎回歪量、飛び出ている帯域を落としたくなってしまいます(笑)。抜けを意識というよりは、なんとなく音が詰まっていて、エグい、聞きにくいような気がしまして…。
・B’zのCDを聞いたりライブDVDを見たりし、「こうしたらもっと近付くのでは」と試行錯誤もしていますが、これはこれで終わらないですねぇ…。エフェクターを買い換えるよりはお財布に優しいのでしょうが…。
【次回について】
これらの動画に使用した、Axe-Fxの残りの音色毎設定を公開予定です。
ご覧頂きありがとうございました。
ではまた。
ひいろ
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