【My機材紹介】Fractal Audio Systems "Axe-Fx" B’z用プリセットセッティング紹介 (7. アコースティック)

こんばんは、ひいろです。
正月明け早々から忙しく、なかなか更新できず…
以前にギター比較、CDやライブ楽曲にて、どの程度音色を似せられるかを検証しました。
【音色カバー】B’z “孤独のRunaway -Mixture style-“にトライ!
【音色カバー】B’z “アラクレ (Typhoon No.15)”にトライ!

その検証に使用したシステムの全体も紹介しました。
【My機材紹介】Fractal Audio Systems “Axe-Fx”のセッティング1(システム構成)

今回は前回までに使用した、Fractal Audio Systems "Axe-Fx" B’z用プリセットから、『アコースティック』のセッティングについて紹介します!

・本記事紹介のプリセットは、下記よりダウンロード可能です。(2020/4/19 追記)
Axe-FxⅡ プリセットダウンロード

長くなるので、複数回に分けて紹介させていただきます。
(画像等は準備でき次第、順次追加していきます)

【目次】

本記事の背景、目的
各セッティング(Axe-Fx内)
各音色の動画
今回のまとめ、次回について

本記事の背景、目的

【Takトーン実現に向けて】

・以前似たような事を記載しましたが、使用機材を知るのが目的ではなく、「ライブで如何にTakトーンを実現するか」というアプローチを本ブログでは目指しています。そこで、これからの音色コピーにあたり「どうすれば、(Tak氏と同じ機材を揃えるのではなく)ライブハウスによくある機材や、市販機材でTakトーンを実現していけるか」という点を確認します。

【本システムのコンセプト】

以前の記事でも紹介しましたが、本システムのコンセプトはどこでも安定的に自分の音色を出す、ライブでTakトーンを自分のできる限り実現することです。

そのための要件として、大枠では下記と考えました。
・「会場で使う要素」を最小限に抑えられるシステムを構築
・ライブでは、どこのライブハウスにも大抵は置いてあるMarshall "1960A"を使用
・ライブでの万が一に備え、ライン出力も欲しい。また家ではライン出力で練習も
・ライブでのモニターに、イヤーモニターシステムも装備

各セッティング(Axe-Fx内)

「FAS Axe-Fxとは、全体の環境」についてはこちらをご覧ください。

【別パッチ：Acoustic】

・Axe-Fxユーザがアップロードしたアコースティック系のプリセットをチューニングしました。以前ご紹介したプリセットとは別で、本プリセットはこのシーンのみ使います。プリセット切替も早いので、ライブで気になるほどの音切れは発生しません。
使用アンプモデルのベース：無し
FAS「AXE CHANGE(検索ワード：Acoustic)」(ユーザがアップロードしたプリセットをダウンロード可能)

枠線黄色が選択中のブロックです

【共通ブロック】

Input / Gateブロック：元モデル無し

・いわゆるノイズゲートの役割です。あまり詳しくは無いブロックですが、本プリセットダウンロード時のデフォルト設定をそのまま使用しています。そのため、メインプリセットとセッティングが少し違い、アタックが遅め&リリースが早めでアコギっぽさを出しているのではないでしょうか。

Comp1ブロック：元モデル無し

・コンパクト型でも良いのですが、スタジオコンプを置いています。こちらもメインプリセットとセッティングが異なりスレッショルドを少し低めにし、コンプ感を強めに掛けています。少し効き過ぎな気がするので、最近は掛かりを薄くしようかと考えています。

Volume / Panブロック：元モデル無し

・一般的なボリュームペダルと変わりません。設定によっては、ボリュームペダルを閉じた際の音量を(0にせず)10程度や、逆に100にすることも可能です。MIDIで操作しているため、音質劣化はないです。

Comp2ブロック：元モデル名無し

・こちらにもスタジオコンプを置いています。メインプリセット同様で、出力上限を制限にする目的 = リミッターとして置いてあります。音色によって出力が変わると、バンド内のバランス、PAさん、外音に悪影響を与えてしまうので、それを防ぐためです。こちらも少し効き過ぎな気がするので、掛かりを薄くしようかと考えています。

Cabブロック：元モデル名無し

・作成者のプリセットにはキャビネットがセットされていたのでしょうが、ダウンロードした時点で各ユーザの設定になってしまいます。そのため、僕の場合は何のキャビネットも設定されていないのですが、残した方が音色的に好みだったので残しています。実際の出力はMarshall "1960A"より出力するため、理論的にはキャビネットを2回通ることになりますが、最終的な音色が気に入ればそれでOKです。

FXLoopブロック：モデル名無し

・「(パワーアンプ→)キャビネット」に出すために置いてあるブロックです。このブロックを置くことにより、キャビネット出力とライン出力を別々に出力可能になります。

Outputブロック：モデル名無し

・一般的な設定ですが、output3のみ-20dBしています。FX Loopがoutputに繋がっているため、-20dBしておかないとライン出力にキャビネットシミュレータの通っていないアンプの音が入ってしまいます。

【アンプブロック】

Ampブロック：無し
・本プリセットでは、ギターそのものの音色を重視しているためか、アンプブロックを設定していません。ここでは本プリセットで積極的に活用されているPEQ、GEQ、エンハンサー、マルチコンプについて記載します。

PEQブロック1：モデル名無し

・PEQ ＝ Parametric EQualizer (パラメトリックイコライザー)です。このブロックでは超低域をブロッキングでカット(ハイパスフィルタ)&ハイをシェルビングで伸ばしています。
Wikipedia「ハイパスフィルタ」
島村楽器 Digiland「イコライザー、フィルターとは？【今さら聞けない用語シリーズ】」

PEQブロック2：モデル名無し

・PEQの2つ目です。先程のPEQ1で削った超低域より少し上の帯域を少し戻してふくよかさを出しています。

PEQブロック3：モデル名無し

・PEQの3つ目です。キャビネット出力の音色は気に入っているのですが、ライン向けはイマイチと感じました。そこでライン向けにPEQを更に設置して音色を調整しています。

GEQブロック1：モデル名無し

・GEQ ＝ Graphic EQualizer (グラフィックイコライザー)です。このブロックで、かなり積極的な音色作りをしています。ここでもハイを強調してアコースティックギターの響きに似せようとしています。
Wikipedia「イコライザー(音響機器)」

エンハンサー：モデル名無し

・あまり聞き馴染みのないエフェクトかもしれませんが、倍音を足すことできらびやかな効果を追加し、輪郭をはっきりさせるためのエフェクトです。Axe-FxではRチャネルを少しディレイさせる効果もあります。
ギタセレニュース「【今さら聞けない】エフェクターの基礎知識編～エフェクターの種類と効果～」

マルチバンドコンプ：モデル名無し

・3バンドのコンプレッサーが搭載されています。各帯域に異なるコンプの掛かり具合を調整可能なため「低域は広げたくないのでコンプ薄めにし、ハイは強めにコンプを掛けたい」ということが実現可能です。通常はミックス過程やマスタリング時に使われるようですが、本プリセットにはダウンロード時から使用されていたので、そのまま使用しています。

【エフェクトブロック】

Reverbブロック：Small Chamber

・こちらのリバーブはメインプリセットと異なり、スモールチャンバーです。アコースティックの自然な感じ、箱鳴りを再現したくて選択しました。ハイはEQでやや落としています。

・本記事紹介のプリセットは、下記よりダウンロード可能です。(2020/4/19 追記)
Axe-FxⅡ プリセットダウンロード

【補足】
・左が音の入り口、右が出口です。
・ブロック内で線が水平、もしくは色が付いているブロックがオンです。
・ブロック内で線が上に回っているのはオフです。
・アンプ後の最上段がドライ音、2～4段目はウェット音になっています。
・上から4段目がライン出力用、最右段のブロックで別れて3段目がに繋がっているのがパワーアンプ&キャビネット向け出力用です。

各音色の動画

【動画】

【動画構成】

3:09～3:49…別パッチ：Acoustic
・マイクは全てはE906です。
・元曲をうっすら掛けている場合があります。
・メイン歪以外はあまり拘ってないです。
・音量調整はしましたが、無加工です。
・動画は基本的にマイク撮りですので、同じ設定にしても音量や位置、ライン出力の場合は音色や聞こえ方が異なる場合があります。

今回のまとめ、次回について

【個人的な意見としては】

・今回は『アコースティック』のセッティングについて紹介いたしました。本プリセットだけは今までご紹介してきたプリセットとは完全に別物ですが、ライブでの切替も遅延はなく、特段の問題は無いです。

・B’zをコピーする上でアコギシミュは欲しかったのですが、自分で0から作るのは困難と感じ、Axe-Fxユーザのプリセットから拝借いたしました。アコギシミュのプリセットはかなりの種類がアップロードされていましたが、Marshall "1960A"からの出力で一番ナチュラルに聞こえたプリセットを自分好みにチューニングしていきました。また、プリセットを探す、チューニングしていく過程で学ぶことも多かったです。アンプを使用せずにキャビネットのみの使用、マルチコンプやチェーンの並べ方は、自分一人では思い付かなかったでしょう。

・特にマルチコンプやエンハンサー等が搭載されている点、信号ラインを自由に設定可能な点等が、他には無いAxe-Fxの強みと考えます。単純なアンプ、エフェクターやアコギシミュレートだけではなくシステムを作れるので、1台でB’zコピーに必要な音色を揃える事が可能、かつラインとキャビネット出力に合わせて各々調整も可能なため非常に有用と感じています。

お耳汚し申し訳無いございません、腕前はこれから精進します…(ブログや動画編集の学習にかまけて練習を怠りました)。

【総じて】

・コンセプトは「Axeを選んだ理由」に記載の通り、「これ1台でシステムを実現!」です。そのため、細かい所まで設定可能というのは、あまり活用し切れていないと感じます。もっと色んなジャンルを演奏する方なら違うのかもしれませんね。ファクトリープリセットも派手なのが多いですが、割とシンプルな「アンプ + エフェクター + キャビネット」のシステムとして認識しているため、そこまで設定の必要はなく、好みの音色が出せれば細かい所は触らなくてもOKという考え方です。

・全てのプリセットに共通する考え方ですが、弾いていて気持ちの良い設定というよりは、どちらかというと「主役のボーカルやリードパートに被らず支える、バンドアンサンブルにおけるバッキングとして混じり」を意識しています。

・ただし、自分達のバンド練習動画やライブ映像を何度も聞き返し「もう少しバンドに混じりやすく、聞きやすくなるのでは」という改善点が結構出てくるので、上記のような基本部分をいじることが多いです。

・ライブにおける音色の印象チェックのため、前回ライブで使用したプリセットを紹介していますが、メイン歪ではGainを更に低く、リードはブースターを外そうか試行錯誤しています。ライブ後に毎回歪量、飛び出ている帯域を落としたくなってしまいます(笑)。抜けを意識というよりは、なんとなく音が詰まっていて、エグい、聞きにくいような気がしまして…。

・B’zのCDを聞いたりライブDVDを見たりし、「こうしたらもっと近付くのでは」と試行錯誤もしていますが、これはこれで終わらないですねぇ…。エフェクターを買い換えるよりはお財布に優しいのでしょうが…。