【便利/お役立ち】ライブ向け準備1 「機材、メンテナンス、セトリ、ライブ向け練習」のポイントをご紹介!
こんばんは、ひいろです。
大分期間空いてしまいましたが、前回はB’z / Tak氏のディレイ特集。再現にチャレンジ、ポイントをご紹介しました。
【How to 音色コピー】B’z / Tak氏サウンドにおけるディレイ特集。再現にチャレンジ、ポイントをご紹介!
今回は少し視点を変えて、良いライブにするための「ライブの前準備~トラブル対処」についてのポイントをご紹介いたします。
(画像等は準備でき次第、順次追加していきます)
本記事の背景、目的
【次のライブ成功に向けて】
・本ブログはライブでの再現を基本としていますが、昨今のCOVID-19でライブが全然できない状況が続いています。いつになるか分からないですが、次回ライブを成功させるために、予め出来る準備や対処法を掲載します。せっかく久し振りにライブ開催できたとしてもトラブル等で100%実力を発揮できないと悔しいですからね。基本的には、"段取り八分"です。
・分量が多いので下記の通り2回に分け、今回は主に事前準備について焦点を当てます。基本的にギタリスト観点になります。
・1回目(事前関連)…機材構成、設定、メンテナンス、セットリスト、ライブ向け練習
・2回目(当日関連)…サウンドチェック (リハーサル)、ライブ、トラブル対処
1. 機材関連、設定、メンテナンス
ポイントとしては「機材を如何に減らせるか」がトラブルやミス防止、ひいては安心感に繋がります。後に記載するトラブルシューティングに繋がりますが、そもそものトラブルポイント数を減らせるかが既に勝負の決め手になります。
【1. 機材関連】
・大前提として、少なければ少ない程トラブル防止出来てベターです。エフェクターが1つ増える度にin/outと電源の3接点、エフェクトそのものやパッチケーブル等のトラブルやノイズが増えます。 使用頻度が低い機材は、最初から使わない覚悟で外す事が重要です。コンパクトエフェクターに代えてマルチエフェクターにまとめるのも、トラブルポイントを減らす手段の1つです。
・エフェクターボード使用する場合は、トラブル防止やセッティングを簡単にするために下記のようなジャンクション・ボックスをオススメします。
One Control "Minimal Series Pedal Board Junction Box"
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VITAL AUDIO "VA-ST1 Signal Traffic"
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・また、下記のようなグッズを使うことで持ち運び / ライブ中のトラブル防止に繋がります。
IVU Creator "POK-01"
・ラック内やエフェクターボード内のシールドや電源ケーブルをまとめておくことで、ノイズ低減や抜け防止等に繋がります。
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MOOER "Footswitch Hat Mixed FT-MX"
・エフェクターやスイッチャーの踏み損ねを防ぐトップハットです。
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PROVIDENCE "PFL-1000"
・上記のトップハットとは異なり、踏み間違いを防ぐロックです。
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ELECTRO-HARMONIX "Pedal Riser"
・奥のエフェクターを嵩上げして踏みやすくする台座です。下にケーブルを通す事で、ノイズ対策やスペースを有効活用できます。
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・ノイズやトラブルの少ないシステム構築には、下記書籍が役立ちます。
ギタリストとベーシストのためのシステム構築マニュアル
ギタリストとベーシストのためのシステム構築Q&A
【2. 設定】
・ライブ用のパッチ等を作った上でスイッチャーを使用する場合は、その踏み順がスムースにいくようにバンク設定をします。可能であれば、1曲1バンク以内に収めたいところです。1回の音の切り替えに2度以上エフェクターを踏むなら、ミスや踏み損ね防止に下記のようなプログラマブル・スイッチャー使用をオススメします。
One Control "Chamaeleo Tail Loop MKII 5ループスイッチャー"
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BOSS "MS-3 Multi Effects Switcher スイッチャー"
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PROVIDENCE "PEC-2"
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【参考】
Supernice! エレキギター博士 『プログラマブル・スイッチャーとは?』
・マルチエフェクター等であればバッキングの音量は揃える、リードは音量差(3dB差、等)を設定出来るとベターです。設定上の差ではなく、出力を計測して差を設定した方が良いと思われます。
【参考】
デシベル計算島村楽器 Digiland 『dB(デシベル)って何?音圧とは?【知っておくと便利な用語】』
【3. メンテナンス】
・基本的にはギターやアンプ、エフェクターの接点や消耗品等をチェック、清掃や必要に応じて修理 / 交換します。例えば…
接点:半田付け、ジャック、プラグ、等
消耗品:弦、真空管、シールド、電源ケーブル、電池、ストラップ、等 ※劣化チェックを含む
緩み:ジャック、プラグ、ボルト/ナット、ネジ、等
・弦の交換タイミングは人によりますが、一週間前~サウンドチェック(リハーサル)後が一般的なようです。
・不具合箇所は本来は修理が望ましいですが、応急処置的には下記のような接点復活剤やもアリです。
CUSTOM AUDIO JAPAN "Cleansable dropper"
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ELECTRO-HARMONIX "Metal Contact"
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・僕の場合、上記メンテや清掃は2週間前の休日に行っています。何かあっても次の休日で交換品等を買って交換できるからです。接点掃除と緩み確認をギター~スピーカーケーブルまで、持ち込む全てをメンテしています。およそ2~3時間程度掛かります。
・ライブ当日は予備のシールド/パッチケーブル、弦、ピック、電池等を当日持ち込むのも欠かせません。ライト等を持ち込めると暗い中でも状況確認しやすくなります。ライトはスマホでもOKですが、無線使用の際は混信の恐れがあるので置き場所に注意が必要です。余裕があれば、下記のようなグッズを現場に持ち込めると更に安心です。
ダイヤテックス "パイオラン 仮設コード固定用テープ CK-06-BK"
・黒い養生テープです。目立ず設置でき、跡が残らない上にはがしやすい為、使いやすいです。
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CLASSIC PRO "APP211L"
・延長用コネクタです。アンプがかなり後ろにあったり、ライン接続時等でケーブルが届かない場合の用意として持っておくと安心です。
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NEUTRIK "NL4MMX"
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Ibanez "MTZ11"
・ツールセットです。バラバラで持っていくと探すのに苦労するため、一式で持ち運ぶほうがベターです。
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【参考】
goodsound 『こんな時だから機材のメンテナンスをしよう!』
【4. トラブルシューティングリスト】
・どれだけ念入りに準備しても、トラブルは起きるものです。そんな時のために「何をどう確認していけば、素早くトラブル解消出来るか」を記載したリストです。トラブルの症状(音が出ない、ノイズが出る、音が小さくなった、等)別に被疑(機材)と確認すべき順番に記載しておきます。家電等に付いている「困った時は」のようなもので、下記が僕のリストです。予め対処法や、対処しても解決しない場合の行動まで記載しておくと、冷静に対処しやすくなります。
【5. 他】
・Tak氏と同様の「予備ピックをギター側面に貼り付け」は、下記写真のように「ギター⇔ビニールテープ⇔両面テープ」のように貼り付けます。ライブ等が終わったら即座に、しかし塗装が剥がれないようにゆっくりと剥がした方が良いでしょう。両面テープをギター本体に直張りすると塗装剥がれの恐れがあるため、避けた方が無難です。
2. セットリスト
ポイントとしては、セットリスト(以下セトリ)をしっかり記載することで、自分達のしたいことを漏れなく伝える事が、良いライブための第一歩です。
【1. 基本事項】
・セトリに記載する事は、成功を目指すならば実は沢山あります。持ち込みや曲目 / MC / 照明以外にも、他にも必要な項目が多くあります。セトリをきちんと書かないデメリットは「やりたい事が出来ない(追加の準備でサウンドチェック時間が減る)、他バンドにも迷惑かかり、時間が押す大きな要因になる」等です。基本的にはライブハウスから渡される用紙に記載すると思いますが、主な項目は下記参考をご覧ください。
【参考】
Riyu Haru Music Study バンド初心者の理結とハルさんのバンド入門講座 『18日目:ライブのセッティング表の書き方』
goodsound 『セット図/ステージプロットの作り方』
J-Guitar.com 『いまさら聞けないステージ・セッティング』
【2. 注意事項】
・意外と記載する事項の多いセトリですが、漏れると特に困るポイントは下記と思われます(僕も経験して当日困りました)。
使用電源、コンセント数:特にエレキギターに顕著かもしれませんが、エフェクターボードから複数コンセント口が必要な場合、事前に伝えておかないと不足する場合があります。
無線:ワイヤレスマイク、ギターワイヤレス、ワイヤレスイヤモニ等、無線をライブハウス側でも使うので混信を防ぐために事前チェックが必要です。最悪、当日チェックによりに使用を断られるケースもあります。機器名(メーカと型番)を記載しておく事が必要です。
役割:リード、リズムギター等の役割を記載し忘れると、音量バランスがバンド側の想定と違って「リードなのに全然聞こえない!」という事態になります。
コーラス:曲毎に、誰がコーラスするかを指定します。コーラスしない曲ではそのマイクをミュートにしてノイズを減らす場合がありますので、「コーラスなのにマイクミュートされていた」や「コーラスしない曲でマイクミュートされなかったため、余計な声が出力された…」という事態がありえます。余談ですが、サウンドチェックしなかったコーラスが本番でメインボーカルより大きく出力されて驚いた経験があります。
同期/打ち込み:コーラス同様、どの曲で使うかを指定します。また、どんな機器からどんな接続(XLR/キャノン、フォン、スピコン、等)が何本必要か、等も記載しないと、当日接続できない恐れがあります。
ライン接続:同期/打ち込み同様、機器や接続方法を記載します。同期も同様ですが、お客さんから聞こえにくい場合があるためLRにパン振りはしない方が無難です。
・ちなみに、僕はPDF編集にすることで今までのセトリ表を手元に残しておき、記載項目の抜け漏れ防止しています。
3. ライブ向け練習
・ポイントとしては、ライブしているつもりで日頃から練習する方がベターです。
【1. 個人練習】
・「メンバーと合わせる事に集中出来る」ようになる練習が基本となります。
立って演奏:ご存知と思いますが、座って弾くのでは身体の使い方や演奏し易さ等が全然違います。特に重いギターやベースはライブ中ずっと身体に負担掛かるので、そのコントロールを含めて普段から立って弾く練習が良いです。
アクションやパフォーマンス:姿見(家に無ければスタジオで)使えると、お客さん目線で確認に繋がります。思っているよりも大きく、キレ良く堂々とアクションするのがポイントです。演奏しながらのパフォーマンスは慣れが必要なので、「普段から自然とアクションできる」状態が理想です。「下を向かずに、前 = お客さんを見る」練習も効果的です。
通し:通しを立って演奏することで、通しに必要な体力やスイッチを踏む順番等の予行演習になります。本番では緊張する分、練習より体力を消費する傾向にあります。
【2. バンド練習】
・個人で練習した事に加えて、メンバーとの一体感や一度きりのライブ感を出せるような練習が基本となります。
曲合わせ:楽曲を合わせられるのは当然として、演奏中にメンバー間でコミュニケーションが取れるかを念頭に演奏します。メンバーの演奏を聞くことに加えて、なんとなく目線を合わせるだけでも、メンバーの一体感に繋がると思います
曲の入り方と終わり方:"ライブ感"を出すためには曲を単純にカウントから初めて終わるだけではなく、前の曲から続けたり、お客さんとの手拍子から入ったりと、様々なバリエーションを試すと良いと思います。個人的には、単純に曲を演奏していくだけでは公開練習なってしまい、ライブ感を損なう印象を受けます。
通し:MC含めて始まり~終わりまで通します。時間配分や流れ、不自然な箇所がないかを確認します。録画しておくと後で振り返れるので改善点を発見しやすくなります。
今回のまとめ、次回について
【今回のまとめ】
・中々ライブ出来ない期間が続きますが、逆に落ち着いた時間がまとまって取れるからこそ、その間に出来ることも多いはずです。その間に上記のような取り組みをしておくことで、トラブルを防いで次回ライブでの成功に繋げる事ができると思います。早くライブ出来る環境になることを願っています。
【次回について】
・今回の後半部分「サウンドチェック (リハーサル)、ライブ、トラブル対処」を予定しています。
※第2回の記事はこちら(2020/8/21追記)
ご覧頂きありがとうございました。
ではまた。
ひいろ
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