【How to 音色コピー】Gibson "Tak Matsumoto Les Paul Canary Yellow"の音色分析、特徴をご紹介!
こんばんは、ひいろです。
前回は、久しぶりにTak氏の機材情報より2014年Tak氏ソロのアルバム / ライブ『New Horizon / Tak Matsumoto LIVE 2014 -New Horizon-』をご紹介しました。
【B’z / Tak機材紹介】2014年 アルバム / ライブ『New Horizon / Tak Matsumoto LIVE 2014 -New Horizon-』
今回は再び機材分析に戻り、僕の所持しているGibson "Tak Matsumoto Les Paul Canary Yellow"をスペクトル分析し、音色の特徴をご紹介いたします!
(画像等は準備でき次第、順次追加していきます)
本記事の背景、目的
【Takトーン実現に向けて】
・以前から度々記載していますが、使用機材を知るのが目的ではなく「ライブで如何にTakトーンを実現するか」というアプローチを本ブログでは目指しています。そこで、音色コピーにあたり「どうすれば、(Tak氏と同じ機材を揃えるのではなく)ライブハウスによくある機材や、市販機材でTakトーンを実現していけるか」を追究していきます。
【ギター毎の特徴把握、その音色再現】
・以前にギター比較記事を掲載しましたが、改めてGibson "Tak Matsumoto Les Paul Canary Yellow"に焦点を当てて深堀りします。スペクトル分析により、よく言われる「ギター毎の音色特徴や差異」を把握できれば、「音色はこっちのギターが好きだけど、見た目や弾きやすさで他ギターを選んでしまう」、「欲しいギターがもう売っていない!」等のようなケースで、好きなギターに似た補正 = 音色再現に有用かと考えます。
Gibson "Tak Matsumoto Les Paul Canary Yellow"とは?
【1. 基本事項】
釈迦に説法かもしれませんが、改めて記載します。
・Gibson "Tak Matsumoto Les Paul Canary Yellow"(以下CY)とは、1997年にGibson社から話があり実現した、「ジミー・ペイジ」、「ジョー・ペリー」、「スラッシュ」、「エース・フレーリー」に次ぐ5人目、1年半以上掛けて完成した日本人初のレス・ポールのシグネチャーモデルです。最初のカラーとしてはブルーやレッドのメタリックが送られてきましたが、Tak氏曰くタイプではないとのことで、フェラーリの黄色をリクエスト。ギブソン社が実際にフェラーリ社に問い合わせ、色見本を取り寄せて実現しました。Tak氏はネックにこだわりがあり最後までディスカッション。Tak氏所有の1957ゴールドトップをシミュレートしましたが、大分太くてその分低音が凄く出るとのことです。アルバム「Brotherhood」では11曲中の7曲でCYが使用されました。
・市販品としては、カスタムショップ製が90本(定価560,000円)とレギュラーモデル(定価330,000円)が販売されました。カスタムとレギュラーのスペックの主な違いは、フィニッシュ行程、ネックグリップ形状、ポジションマーク、ジョイント仕様、ジャックプレート、インレイ、ピックアップ、トグルスイッチプレートの文字有無、等です(スペックは下記をご覧ください)。
【2. 基本スペック】
・販売されたカスタムショップ製の主なスペックは下記の通りです。
・ボディトップ…メイプル
・ボディバック…マホガニー
・ネック… マホガニー (TAKスペシャルグリップ)
・指板…ローズウッド
・指板インレイ / ポジションマーク…アヴァロン、ディッシュ型
・フレット…22、ジム・ダンロップ #6150
・トップフィニッシュ…キャナリー・イエロー
・バックフィニッシュ…ダーク・ブラウン
・フロントピックアップ… Gibson BURST BUCKER タイプ1 ゼブラ Tak Matsumoto Special (ワックス含浸によるハウリング防止)
・リアピックアップ… Gibson BURST BUCKER タイプ2 ゼブラ Tak Matsumoto Special (ワックス含浸によるハウリング防止)
・#6150フレットは極太と言われる #6100よりも一周り小さく幅広とのことです。
サウンドハウスで見る
・また、2018年にリイシューされたCanary Yellowは、下記比較表の通り別スペックとなっています。
・B’z公式サイト「松本孝弘の最新シグネチャー・モデル『Gibson Custom Tak Matsumoto Les Paul Standard Canary Yellow 2018』」
・Gibson公式サイト「松本孝弘氏のシグネチャ・モデルTak Matsumoto Les Paul Standard Canary Yellow 2018」
・イケベ楽器「松本孝弘氏 シグネチャー・モデルGibson Custom Shop Tak Matsumoto Les Paul Standard Canary Standard 2018」
【3. 使用時期】
・CY使用時期は、下記の通り1999~2003年です(機材記事あるものはリンクしています)。
1999年『Brotherhood / LIVE-GYM '99 "Brotherhood"』
2000年『LIVE-GYM Pleasure 2000 "juice"』
2001年『ELEVEN / LIVE-GYM 2001 "ELEVEN"』
2002年『Dragon From The West』、『華』
2002年『GREEN / LIVE-GYM 2002 "GREEN 〜GO★FIGHT★WIN〜"』
2003年『BIG MACHINE』、『LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!"』
スペクトラム特性と特徴分析
【1. 録音環境、比較対象】
・変動要因を極力減らすため、Axe-FxⅡはバイパス、ギターのボリュームとトーンはフル、Gコードを一発弾いただけで録音しています。また、比較対象を後のケースと共通にするためESP オーダメイドの"ふぉれすぽ"を使用します(CY、Tak Burst、BDC、ふぉれすぽしか今持っていなくて…)。特徴や印象も"ふぉれすぽ"と比較してのコメントになります。
・僕の所持しているCYは1999年製レギュラーモデルで、重さは約4.5kgです。
【2. スペクトル波形、数値】
・ピックアップ毎に弾き、波形を比較した結果が下記グラフになります。
1. リアピックアップ使用時
2. センターポジション使用時
3. フロントピックアップ使用時
4. CYまとめ
※スペクトル分析の手法はこちらの記事に掲載しています。
【3. 特徴、印象】
・総評…CYはリアバッキング、フロントソロ共に前に出たがる印象です。リアはドンシャリ型。ちなみに、同じレギュラーでもう一本試したことがあり、そちらはもっと中域寄りでした(個人的にはドンシャリが欲しかったので、もう1本は手放してしまいました)。
・リアピックアップ使用時…"ふぉれすぽ"と比較してCYの方が音色的に若干重めに感じます。理由としては、グラフの通りCYの方が低音出て、高域抑えめだからと考えます。
・センターポジション使用時…大きな違いは無いように見えますが、CYは3kHz前後が若干抑えめで、少し大人しめの印象です。
・フロントピックアップ使用時…フロントは2.5kHz前後が抑えめですが、1.4k~1.6kHzが出ているためか、前に出てくる印象を受けます。
【備考】
・極力同じ様に弾いたつもりですが、弾き方等によって出音や波形はかなり変わるので傾向把握程度としてください。
・個体差あるので、あくまでも僕の所有しているギターの特性であり、tak氏所有のギターやCY全体の特性を表すものではないです。
・ピックアップ自体の比較ではございません。
・余談ですが、MOOERから「登録した他のギターの音に変えるエフェクター」が発売されています。音色を変えたい時に持ち替えずに済むのは楽ですね。
MOOER ( ムーアー ) / Tone Capture GTR トーンキャプチャー
サウンドハウスで見る
音源
・先般記事より、動画を引用いたします。時間を見付けて新しく録画したいのですが…。
→新録しました!(20200523追記)
【音源】
【動画構成】
0:03~1:42…Gibson "TAK Matsumoto Les Paul Canary Yellow"(1999年製)
【備考】
・音量差がある場合がありますので、音量にはご注意ください。
・音量調整以外の加工はしてません。
今回のまとめ、次回について
【今回のまとめ】
・個人的にも、弾いてもらった友人も「このギターは前に出る」との印象でしたが、今回の取り組みでその根拠の一端を示せたのではないかと思います。特徴を参考にイコライザー補正すると、お持ちのギターでCYの音色を再現できるのではないでしょうか(イコライザーの使い方に関する記事はこちら)。
【次回について】
・Tak Burstの詳細分析、他年代の音色分析、Axe-Fxと他社高機能機材との特徴比較、B’z / Takの機材情報、等を考えています。
ご覧頂きありがとうございました。
ではまた。
ひいろ
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